日本ヴァイオリン

Antonio Stradivari 1711 "Marquis de Riviere"

アントニオ・ストラディヴァリ 1711年製 「マーキー・ドュ・リヴィエール」

ストラディヴァリウスの「黄金期」を語る上で欠かせない、1711年のオリジナルラベルを持つ美しいヴァイオリン、「マーキー・ドュ・リヴィエール」。そのボディには、巨匠アントニオ・ストラディヴァリの絶頂期を示す特徴が色濃く表れています。

裏板には、鮮やかな杢目が水平に伸びる美しい柾目のカエデ材が2枚合わせて使用されており、側板にも同様の木材が見られます。表板は、中心の細かい杢目が側板に向かって広がりを見せるスプルースが用いられており、年輪年代分析の結果、1707年から1709年の間に製作された名器「ラ・ピュセル」や「ヴィオッティ」と極めて高い類似性を持つことが判明しています。ボディと見事な調和を見せるカエデ材のヘッドや、金色の下地にオレンジ掛かった赤色のニスが施されたその仕上がりは、1709年製の「ヴィオッティ」に通じる美しさを湛えています。

この楽器の愛称は、フランスの高官であり大使や政治家も務めたリヴィエール公爵(シャルル・フランソワ・リファルドー、1763-1828)にちなんで名付けられました。 その歴史を紐解くと、1870年にはプロヴァンのブクロー氏が所有していたことが確認されています。同氏は1716年製「チェッソーレ」も所有していたほどの愛好家でした。その後、1902年にカレッサ&フランセの手を経て、パリ在住の優秀なアマチュアヴァイオリン奏者マルセル・ブレへと渡りました。

なお、ドーリングなどの文献には同名のストラディヴァリウスが記録されていますが、そちらは1718年頃製作の一枚板の裏板を持つ楽器であり、本作とは全く異なるものです。現在は、日本のコレクターのもとに大切に収められています。

製作地
クレモナ