Romeo Antoniazzi 1918
1918年製ロメオ・アントニアッツィ
ロメオ・アントニアッツィは1862年、エンリコ・チェルーティの弟子であるガエタノ・アントニアッツィの8番目の子としてクレモナに生まれ、父ガエタノと兄のリッカルドから製作の手ほどきを受けたと言われています。ロメオは、当初はレアンドロ・ビシャッキ、モンジーノ・アンド・サンズといった企業のために働き、この頃彼自身の署名よる楽器はあまり多く残されていません。
ロメオの製作家としてキャリアのピークは1885年からはじまり、1887年にはミラノに自身の工房を構えました。1904年以後にミラノ、トリノ、パリで開催された博覧会では金メダルと銀メダルの受賞歴があります。ロメオとリッカルドのアントニアッツィ兄弟はジュゼッペ・ペドラッチーニ(1879-1957)、フェルディナンド・ガリンベルティ(1894-1982)、ピエロ・パラヴィッチーニ(1889-1957)など多くの弟子を輩出し、近代ミラノ・スクールの礎を築いた重要な製作家です。ロメオは1925年、63歳の時ミラノで亡くなりました。
1918年におけるこのヴァイオリンはストラディバリモデルが用いられ、安定感のある熟練した手仕事を思わせるウッドワークに柔らかい透明なオレンジブラウンのニスを纏っています。その音色は輝かしさと深みを併せ持ち、演奏家に求められる実力を備えています。