Antonio Stradivari 1714 "da Vinci"
アントニオ・ストラディヴァリ 1714年製 「ダヴィンチ」
ストラディヴァリウスの「黄金期」を代表する傑作として知られるのが、1714年のオリジナルラベルを持つ「ダヴィンチ」です。このヴァイオリンは、“匠がなせる最高のスタイル”と称賛される美しいスクロールと、左右に伸びる躍動感あふれる細やかな杢目が際立つ、見事な柾目カエデの一枚板の裏板を持ち、長きにわたり多くの人々を魅了してきました。
その来歴は、エモンヴィル氏の手元にあった時期を経て、1881年6月にジョセフ・シャルドンがオークションで落札したことに遡ります。その後、レオン・デュ・ジャンゼ伯爵のコレクションに収まり、1888年にはパリのJ.フォーシーへと売却されました。1914年にはカレッサ&フランセを介してベルリンのチャールズ・タンシュが購入しますが、後にアルベール・カレッサが再び入手し、1924年にエリック・ラックマンに売却されたことで、この名器は海を渡りアメリカへと辿り着きます。
アメリカに渡った数か月後、エミール・ヘルマンを通じてロシアの著名なヴァイオリニスト、トーシャ・ザイデル(1899~1962)の手に渡ります。ザイデルはこの楽器を40年もの長きにわたり愛奏しました。その後、1974年にロンドンのサザビーズで落札され、現在は日本の宗次コレクションに収められています。
「ダヴィンチ」という愛称は、カレッサ&フランセが発行した証明書に由来します。アーネスト・ドリングはその著書の中で、「あのイタリアの巨匠の名作に因んで、その豊かな美にあふれる姿から名付けられたのだろう」と語っています。








