Antonio Stradivari 1711 "Tartini, Vogelweith"
アントニオ・ストラディヴァリ 1711年製 「タルティーニ、フォーゲルヴァイス」
ストラディヴァリウスの黄金期に製作された、類稀なる美しさを持つ逸品が、この1711年製「タルティーニ、フォーゲルヴァイス」です。その姿は、1713年製の名器「ギブソン、フーバーマン」と極めて高い類似性を持つことでも知られています。
その外観は、魂柱サイドからバスバーサイドへ斜めに伸びやかに広がる、中位の幅の波目模様を持つ一枚板の裏板が特徴的です。表板には細やかな杢目のスプルースが使用され、黄金のベースに重ねられたオレンジブラウンのニスが、その魅力を一層際立たせています。
この楽器の歴史は、『悪魔のトリル』で知られる著名なバロック音楽作曲家でありヴァイオリニスト、ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770)が最初の著名な所有者であったことに始まります。彼はこのストラディヴァリウスを生涯手元に置き、その後は教え子であるジュリオ・メネギーニへと遺贈されました。
19世紀後半には、ジュネーブの収集家と思われる紳士や、ロンドンの商社ヒルズなどを経て、1943年にヴァイオリン製作家ピエール・フォーゲルヴァイスの手に渡ります。戦後はヴァテロ、そしてハンマのコレクションとなり、数度のオークションを経て、現在は名古屋の宗次コレクションの一つとして大切に保管されています。




