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日本ヴァイオリンソサエティ : 楽器無償貸与者募集のお知らせ H. Fagnola 1930 年製及びチェロ1926 年製

2023.10.17

日本ヴァイオリンソサエティ会員かつ楽器のオーナーである竹内真様から、貴重な楽器の貸与の申し出がありました。

今回貸与ご提供されますイタリア製「Fagnola(ファニオラ)」は、20世紀のモダンメーカーを代表する製作家として特に知られており、その深い音色と力強さでオーケストラバックのコンチェルト・ソロからリサイタル、コンクールまで、多様な場面での演奏に対応します。この楽器が演奏家の日常の練習やステージでの演奏において新たなインスピレーションをもたらすことを願っています。

弊社はストラディヴァリウスをはじめとするオールド・モダンの弦楽器を長年取り扱ってきました。竹内様と共に、今回の貸与を通じて、演奏家の皆様の更なる飛躍をサポートできればと思っております。
応募に際しての自己PR文は、すべて真剣に拝読させて頂きます。皆様の想いが感じられる応募を心よりお待ちしております。

[楽器オーナー様からのご挨拶]
竹内 真 様
ビジョナル株式会社 取締役 CTO / 株式会社ツクルバ 社外取締役 / 一般社団法人日本CTO協会 理事

大学生時代にギターを手に取り、一時期はシンガーソングライターとしても活動。28歳を区切りに音楽を辞め、ビジネスの世界へ。昨今は仕事以外の活動として、昔の自分のように、経済的課題から創作活動や文化活動を断念せざるを得ない、才能の活動を応援するために、アートや音楽の領域を支える裏方として活動中。

ヴァイオリンに関して

複数のファニオラ、そしてこの個体より高額なヴァイオリンも含めて聴き比べた時、圧倒時な箱鳴りを感じさせてくれました。一般的なファニオラと比較した時と比較すると、その思い切りの良い音感に、とても若いエネルギーを感じました。少なくともオールドと呼ばれるようなヴァイオリンと比べると、情緒性や音の枯れ感は少ないと言わざるを得ませんが、おそらくこのクラスの楽器の中ではトップクラスのベロシティを表現してくれるものと思います。今お持ちの楽器では演奏者自身の表現、特に強さという部分において表現しきれないとお悩みの演奏者の方で、かつ、相性の良い方に弾いてもらいたい。そして、5年、10年と弾いていただいて、演奏者の癖も含めてこの楽器を育ててくれる方に弾いてもらいたい楽器です。

チェロに関して

希少と言われるファニオラの後期型のチェロ。偶然にも前期型(1910年代)のファニオラのチェロと聴き比べる機会があったのですが、やはり比較するとコレクションピースだったことを物語るように、良い意味で癖がなく、弾いたように良質な音が出るチェロ、ちょうど同時に公募するファニオラのガダニーニモデルのヴァイオリンと似たような音質を感じます。逆に言えば、やはり情緒性には少し乏しく、体にまとわりつくような中低音はありません。素直な音(とても良い音なのですが)という感覚が最も近く、ある意味弾き手を選ばず、弾き手の癖や出したい音の方向性に育て上げられるポテンシャルは感じます。しかし、当然ながらそのポテンシャルはかなり高く、良い弾き手で無ければ楽器がちゃんと鳴り切ってくれないようなこの時代の名作感も合わせて感じます。国内のコンクールでの優勝や、国際コンクールでの入賞を目指しているような方、またはプロとして活動されているソリストの方などで、一つ上のステージへ登ろうとしているような方が、その夢を叶える楽器として弾いて貰えたら嬉しいです。もちろん、それ以外の目的方も。

楽器紹介

ヴァイオリン : Hannibal Fagnola 1930年製 ”Giovanni Battista Guadagnini 1773 model”

ファニオラは、イタリア・トリノを代表的な製作家です。1906年ミラノ博覧会で銀メダル、そしてジェノヴァの博覧会では金メダルを受賞して以降、各地で賞を獲得し、瞬く間に世界中の有名ディーラーに求められる人気製作家となりました。
ファニオラは主にプレッセンダ、ロッカ、グァダニーニの3つの偉大な製作者をモデルにしていましたが、1930年製のこのヴァイオリンは最も数が少ないとされているグァダニーニ (18世紀後半を代表する製作家の1人)をモデルに製作した大変希少なモデルです。
ボディの中を覗くとG.B Guadagniniのラベルに並べてファニオラ本人のラベルが貼られています。ウッドワークは極めて高い精度を誇り、透明感のあるニスを纏っています。
常にソリストに求められる音色豊かで暖かみがあり、大ホールでの演奏にふさわしいパワフルな音量を備えています。

チェロ : Hannibal Fagnola 1926年製

ファニオラは生涯の中で製作した弦楽器は約400挺とされています。その中でもチェロは約20挺とも言われており、過去にオークションに登場した記録もなく、ヴァイオリンは出会うことはあってもファニオラのチェロに出会うチャンスは滅多にありません。さらに1926年というファニオラが最も精力的にクオリティの高い楽器を生み出したとされる「黄金期」の作品となるとまず出会うことはないでしょう。
ファニオラは、前述の通り1906年にミラノ及びジェノヴァの博覧会で賞を受賞し、その後大きく飛躍します。ファニオラによるチェロが世界中から注目を浴びたのは1911年にトリノで行われた博覧会です。カルテット作品(ヴァイオリン2挺、ヴィオラ1挺、チェロ1挺)で見事金メダルを受賞し、イギリス、アメリカを中心に世界各国からファニオラのチェロやヴィオラも認知されるようになりました。
このファニオラ1926年製作(黄金期)のチェロは、音量は勿論、密度の濃い重厚感もある音色を兼ね備えています。
楽器自体に備わる音楽表現力の幅が広く、ソリストが出したい音色を引き出します。

応募資格
ヴァイオリン、チェロの演奏経験がある方
※プロ、アマチュアの区別、過去のコンクール受賞歴などは問いません。
貸与楽器
ヴァイオリン : Hannibal Fagnola 1930年製 ”Giovanni Battista Guadagnini 1773 model”
チェロ : Hannibal Fagnola 1926年製
貸与期間
2023年12月から2025年11月までの2年間(実績に基づいて延長の可能性あり)
費用
無償 (楽器保険料も楽器オーナー負担となります)
応募要項
① お名前
② メールアドレス
③ 年齢
④ 現在使用されている楽器とその年号
⑤ 応募する楽器(ヴァイオリン・チェロ)
⑥ 自己PR(400文字以内)
応募期間
2023年10月17日(火)~11月7日(火) : 書類審査 ※応募締切は11月7日23時59分(日本時間)となります。
2023年11月11日(土)~11月24日(金) : 最終審査
結果通知
書類審査に合格された方にはご登録いただきましたメールアドレスへご連絡いたします。
最終審査に於いては、審査期間中に楽器オーナー様、弊社との面談をさせていただく予定です。

お申し込み

よくあるご質問について

  • Q1修理やメンテナンスはどこへ持っていけばいいですか?
  • A1メンテナンス及び修理などは弊社の工房でお願い致します。やむを得ず、弊社にお持ちいただけない場合は、必ず事前にご連絡ください。
  • Q2海外への持ち出しは?
  • A2お持ち出しいただけます。ワールドワイド適応での保険に加入済みです。
  • Q3第三者への貸し出しは?
  • A3貸与者以外の方へのお貸し出しはご遠慮ください。
  • Q4演奏家プロフィールへの記載について
  • A4ご記載いただいて大丈夫です。
    例)「~~様より名器特別貸与としてH.Fagnola 1909年製を貸与されている。」
  • Q5弓については?
  • A5貸与楽器に弓は含まれません。

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