Nippon Violin Society
日本ヴァイオリンソサエティ
日本ヴァイオリンは1980年に楽器商として歩み始めましたが、1990年から楽器売買の傍ら、高価な楽器のオーナーと国内外の一流演奏家、有望な若手を繋いできました。
2007年より弊社内に日本ヴァイオリンソサエティを発足させ、より積極的にオーナーからお預かりしている楽器を演奏家へ貸与するお手伝いを始めました。
オールドヴァイオリンの数は増えることがありません。それに旺盛な需要が相まって、価格は高騰し、一流の演奏家であっても個人で楽器を購入することはほぼ不可能となりました。パトロンの存在がなければ演奏家は人類の宝とも言えるオールドヴァイオリンを弾くことは叶いません。
日本ヴァイオリンの究極の役割は弾き継がれてきた至高の楽器を眠らせることなく、今弾くべき演奏家に奏でてもらうことです。
日本ヴァイオリンソサエティは現在オーナーの皆さんが所有されている貸し出し可能なヴァイオリン60本以上を演奏家に貸与するお手伝いをしています。
パトロン(オーナー):宗次 德二
演奏家:木嶋真優
日本ヴァイオリン:中澤 創太
宗次 德二
NPO法人 イエロー・エンジェル理事長
カレーハウスCoCo壱番屋 創業者
クラシック音楽は高校1年生の時に、たまたまつけたテレビで「N響アワー」を観てから聴くようになりましたが、仕事を始めてからは触れる機会はほとんどありませんでした。引退するタイミングでたまたま五嶋龍さんのコンサートに呼ばれることがあり、そこで改めてクラシック音楽の素晴らしさに目覚めたことが今に繋がっています。
五島さんが良い楽器を探していると聞き、ニューヨークでストラディヴァリウスを購入しました。楽器に触れることもなく五島さんにそのままお渡しし、しばらく弾いていただきました。それが始まりで、自分の都合ではなく、良い楽器があって、求めている演奏家の方がいて、タイミングが合えば購入するということを繰り返しています。
現在何挺保有しているのかは私も正確には把握していませんが、全て日本ヴァイオリンを通じて演奏家にお貸ししています。
楽器はふさわしい方に弾いていただいて、初めて意味があるものです。飾っておいても仕方がありません。クラシック音楽がさらに多くの人に聴いてもらえるようにと考え、この活動を続けています。
木嶋真優 ヴァイオリニスト
現在の使用楽器
Antonio Stradivari 1699 “Ex-Walner”
今、弾いている楽器は2019年に宗次さんから貸与されたものです。それまでの楽器の貸与が切れるところで探していたところ、日本ヴァイオリンの中澤さんから「これはどう?」と紹介していただきました。やや小さめのこの楽器は手が小さい私にぴったりだったことは言うまでもありませんが、その他全ての面でもフィットしていました。そこで宗次さんをご紹介いただき、現在に至っています。
私の場合、自分の音を完成させるにあたり、楽器との出会いが80%、そこから毎日弾きこむことで100%となります。
この楽器は私が手にするまで何十年も弾かれていなかったので、ちゃんと鳴らせるようになるまで時間がかかりましたが、その分蕾だった音色を私の音に開花させることができました。ストラディヴァリウスは自分が想像していなかった音を出してくれます。上の世界に連れて行ってくれるとんでもない音です。
一番いい形で貸していただいていると常に感謝しています。
パトロン(オーナー):志村 晶
演奏家:三浦文彰
日本ヴァイオリン:中澤 創太
志村 晶
株式会社クリスコ 代表取締役
小学生の時にクラシック好きな母親から勧められてピアノとヴァイオリンを習いましたが、長続きせずやめてしまいました。音楽についてはクラシックだけではなく、ジャンルを問わず好きでしたが、何かにのめり込んだというほどのことではありません。
深くクラシック音楽の世界に関わるようになったのは60代になってからです。10年くらい前にベルリンフィルの樫本大進さんが音楽監督を務められているルポン国際音楽祭へ資金援助を頼まれたことがきっかけになりました。樫本さんと親しくなってから、「グァルネリ・デルジェスを弾きたいのだが」というお話を伺い、初めて貸与ということを考えましたが、最終的に決断するまでに数ヶ月はかかったでしょうか。
私は投資でヴァイオリンを買うということはありません。然るべき実力を持った方が、このヴァイオリンをどうしても弾きたいというお話があって初めて検討します。それでいい音楽が生まれ、クラシック音楽を楽しむ人が増えれば本当に良かったと思います。生きたお金の使い方です。
他には日本ヴァイオリンを通じて、三浦文彰さんにもグァルネリ・デルジェスを弾いてもらっていますが、これからも同様の案件が出てくればもちろん考えるつもりです。
三浦文彰 ヴァイオリニスト
現在の使用楽器
Giuseppe Guarneri ‘del Gesù’ 1732 "Kaston"
1732年製グァルネリ•デル•ジェズ、[カストン]との出会いは衝撃的でした。それまで長らく1704年製ストラディバリを愛用させていただいたのですが、ある日、日本ヴァイオリンの中澤社長から素晴らしいデル•ジェズが来ているから弾いてみないかとお話がありました。
私はストラディバリに一途でしたので、実は少し軽い気持ちで出会ったのですが、これこそ運命的でした。
1音目から自分自身の声のように、音が鳴ったのです。ストラディヴァリウスはストラディヴァリウスの音があり、自分の求めている音を作り込んでいく意識がありました。この楽器は初めからなんの無理もなく理想としている音が鳴ったのです。それは明るい輝かしい、暗い深いと言うような単純な言葉では表せないものであり、非常にパーソナルで親密なものでした。
その瞬間からどうしても、なんとして、でもこの楽器で演奏できないかと頭と心の中がそればっかりになってしまいました。そこで中澤社長のサポートもあり、音楽を愛され、音楽界を応援して下さっている志村晶さんがこの楽器を私のために購入し、貸与して下さる事になりました。
今は、この最高の相棒との日々に幸せを感じ、このような奇跡的とも言える出会いとご縁に感謝の気持ちしかありません。
世界の様々なホールで沢山の人にこの楽器の音を聴いて頂ける事が楽しみです。
HIMARI ヴァイオリニスト
現在の使用楽器
Antonio Stradivari 1717 “Hamma”
2023年1月から現在の楽器を貸与していただいています。初めは大きいサイズの楽器を弾きこなせるかと不安もありましたが、耳に聞こえる楽器の音は普段わたしが聞いていた往年のヴィルトゥオーソ達の音で、演奏する度にまるで自分がタイムスリップしたような気持ちになりました。
ヴァイオリンは人の声に近い音を奏でられる楽器です。作曲家や巨匠ヴァイオリニストたちが残した作品を、名器の放つ美しい倍音とポルタメントで、世界中の方に豊かな音を届けていきたいです。そんなきっかけを私に与えてくださったこと、心からありがとうございます。
Andrea Obiso ヴァイオリニスト
現在の使用楽器
Giuseppe Guarneri 'del Gesu' 1741
In the course of my musical life I have always considered myself a lucky boy when my parents let me start playing a musical instrument. It’s not to be taken for granted that one family alone can support the development of their children once they noticed I had a special hearing ability.
But never I would have thought to be so lucky in my life for having had the chance to meet the Munetsugu family and Nippon VIolin Tokyo.
I had never experienced, after my parents, the infinite generousity and humanity with which they have enlighten my path as a musical artisan.
Being given the possibility of playing on a Guarneri Del Gesù, of growing with the instrument, of competing in the most prestigious competitions and performing in the most famous concert halls in the world is the magic for which these instruments were born and the goal that every artist would want to pursue.
One promise was sworn that day towards myself and the instrument: that together we are going to give all the music and share it to everybody and every culture in this world.
My family and I are so gratefull and feel blessed by their generosity and their legacy will always stay alive through the same love that have inspired us.
神尾真由子 ヴァイオリニスト
現在の使用楽器
Antonio Stradivari 1731 “Rubinoff”
現在使用している楽器は、2019年より宗次コレクションから貸与されているストラディヴァリウスです。それまで米国で貸していただいていた楽器の貸与期間が終了となったところ、中澤さんに宗次会長をご紹介いただきました。
それまでにストラディヴァリウスは幸運な事に何台か演奏した事がありましたが、一般的な「気まぐれ」だという評判通りに音がひっくり返ったりとなかなか気難しい楽器も多くありましたが、この楽器は初めて音を出した一音目から、ギア全開、というような音がしましたので、驚きました。日本ヴァイオリンさんにはそれ以来色々な場面でお世話になっていますが、日本ヴァイオリンさんの楽器は、おしなべてとても良く調整されていて、どのクラスの楽器も素晴らしい音色です。それも良い楽器を仕入れる力と、細やかな調整の力があってこそだと思います。
いつも多大なるご支援をいただき、感謝しております。
樫本大進 ヴァイオリニスト
現在の使用楽器
Giuseppe Guarneri ‘del Gesu’ 1744 “de Beriot”
約三年前からグァルネリ・デル・ジェス1744年制作「ド・ベリオ」を株式会社クリスコ(志村晶代表取締役)から貸与していただいております。この素晴らしい楽器に出会い、実際に演奏できることは、私にとってこの上なく幸せなことであり、「ド・ベリオ」は私の演奏活動に欠かせない最高の音楽パートナーです。
この楽器をお借りして、この楽器と共に世界中での演奏旅行を問題なく行うことを可能にするための様々な手続きにつきまして、日本ヴァイオリンの多大なご尽力を賜りましたことを、心より感謝致しております。
銘器のご紹介
演奏楽器としてだけではなく、資産価値の高い楽器をご紹介いたします。
楽器の保管・管理、貸与後のメンテナンス
貸与が決まっていない楽器は、最高の状態に保つため、弊社の金庫で湿度・温度管理を徹底して保管いたします。
貸与後も定期的なチェック、簡単な調整・修理は無料で提供いたします。
演奏家への貸与
弊社は多くの演奏家と長期にわたる深いつながりを持っています。オーナー様、所有されている楽器の特徴、演奏家のマッチングを考えて、貸与のご相談を承ります。
演奏家とのコミュニケーション管理
演奏家のコンサート予定のお知らせ、チケット手配等はもちろん、演奏家の活動へのサポートにつながるコミュニケーション窓口となります。
貸与式の開催
オーナー様と演奏家の貸与契約について、全ての手続きを行います。
ご希望に応じて、お披露目を兼ねて、弊社のサロンにてコンサート開催をお手伝いいたします。