Ferdinando Gagliano Naples, circa 1780
フェルディナンド・ガリアーノ c1780年製
18世紀ナポリ派を代表する製作家の一人、フェルディナンド・ガリアーノによるヴァイオリンです。
フェルディナンドは、ガリアーノ家第三世代の製作家です。ニコラ・ガリアーノの長男として生まれ、叔父ジェンナロのもとで製作を学んだと考えられており、兄弟たちとは比較的独立して自身の様式を発展させました。本作が製作されたとされる1780年頃には工房を率いる立場にあり、ナポリを代表する製作家の一人として活動していました。
本作は、しっかりとした高さのアーチを持ちながら中央部が過度に尖ることのない、穏やかで落ち着いた面持ちの造形です。全体に量感がありながらも華奢な印象はなく、力強さと調和の取れたプロポーションを備えています。裏板には2枚接ぎのメイプルが用いられ、幅広い杢がセンタージョイントから外側へごく緩やかに流れ、横板やスクロールにも同じ調子の木材が選ばれています。
表板は2枚接ぎのスプルースで、中央部の中程度の木目が外側に向かって少しずつ広がっていく構成。
黄金色を帯びたブラウンのニスは透明感のある美しい色調を保ちながら、長い年月を経た木材の表情を引き立てています。
音の輪郭ははっきりとしており、低音には太さと豊かさがあり、楽器全体に豊かな響きが広がっています。高音域の伸びも印象的で、音域全体を通して明瞭さと豊かさを兼ね備えています。
室内楽はもちろん、コンチェルトのような大きなスケールの演奏においても、その響きと迫力を十分に生かせる一挺です。
18世紀ナポリの名工フェルディナンド・ガリアーノによる造形美と、豊かで伸びやかな音色。その両方を楽しむことのできるヴァイオリンです。








