日本ヴァイオリン

Marino Capicchioni 1956 "ex -Felix Ayo"

マリノ・カピキオーニ 1956年製 "ex -Felix Ayo"

マリノ・カピキオーニは1895年、サンマリノ共和国のサンタムスティオラに生まれ、1932年以降リミニを拠点とし、イタリア各地のコンクールや博覧会でメダルを獲得し、国内外の第一線の演奏家達に求められる製作家になりました。
その後の黄金期、1956年におけるこの作品は鮮やかな赤いニスを纏い、その音は音色を創り上げる懐の深さを持った、華やかな力強さがあります。彼はニスの下地を仕上げる際、スプルースの冬目を際立たせる独自の処方を用いており、作品には堂々たる風格があります。
この作品は、名ヴァイオリニスト、フェリックス・アーヨにより17年以上に亘って、メインの楽器として数多くの録音、演奏会に独占的に使用されてきました。
彼は当初、友人のヴァイオリニストのアンナ・マリア・コトーニから1939年製のカピキオーニを借りて、1955年ヴィヴァルディの四季を録音しますが、すぐに自身のためのカピキオーニの所有を望みました。その翌年、1956年にアーヨがリミニのカピキオーニのもとに完成したヴァイオリンを引き取りに行ったときのこと、未だニスが乾ききらない出来たてのヴァイオリンを弾き、その暖かく魅惑的な響きに深く満足したと言われています。
また同時代の偉大なヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリングは彼自身の録音に臨む際、フィリップスの音響技術者に自分の望む音を説明しようとして、こう言いました。
「フェリックス ・アーヨのようなヴァイオリンの音が欲しい…! 」

製作地
イタリア リミニ
カテゴリ
モダン