Matteo Goffriller 1698
マッテオ・ゴフリラー 1698年製
ヴェネチアンスクールの父と呼ばれ、その後のモンタニアーナ、セラフィン、ゴベッティ、トノーニ、ピエトロ・グアルネリと言った18世紀ヴェネチアを代表する名だたる製作家達の魁となりました。彼の用いた深みのある赤いニスは後にヴェネチアン・レッドと呼ばれ、ヴェネチアンスクールの大きな特徴の一つとして伝えられています。
1685年よりヴェネチアで仕事を始めますが、そのスタイルからそれより以前クレモナのストラディヴァリかカルロ・ベルゴンツィの工房で働いた可能性があるとも言われています。1698年製のこの作品には、素晴らしい実力を備えた豊かなキャラクターが顕現しています。近代においては彼のチェロをパブロ・カザルスが生涯愛用したことで再びその呼び声が高まり、ヴァイオリンにおいても多くの演奏家達にその実力を求められています。