日本ヴァイオリン

Hannibal Fagnola 1905-1910

アンニバル・ファニオラ1905-1910年製作

20世紀トリノにおいて最も重要な作家であるアンニバル・ファニオラ。
ファニオラは当初、トリノのリナルディの工房にてロマーノ・マレンゴのもとで専門的な製作の訓練を受けました。
おそらくそこで、グァダニーニ、プレッセンダ、ロッカというトリノの名品を目の当たりにして大きな衝撃を受け、以降それらのコピーを繰り返し製作することになります。
1906年、ファニオラの作品はミラノとジェノバの博覧会で賞を獲得し初めて公に認められました。この成功のおかげでその翌年から広い工作場を得ることができ、それは1921年まで存続することになります。
その後ファニオラは次々とその名声を世界に広めていきました。
1911年、国家統一15周年を記念する祝典の万国博覧会がトリノで開催された際、祝典では彼のカルテット作品(ヴァイオリン2挺、ヴィオラ、チェロ)に金メダルが授与され、彼は名実ともに最高の成功を収めるにいたりました。
当時のヴァイオリン商人アルフレッド・ヒルもイタリアを行商中に、ファニオラが将来大物になる見込みについての所見を自分の日記の中で述べているほどです。
フェニオラの名声はたちまちイギリスへと広まり、そこではプレッセンダとロッカの楽器を模して造った彼の作品が、オリジナルと勝るとも劣らないとさえと言われていました。
その飛躍の只中に製作されたこのヴィオラは、彼が最も得意とし、好んで製作したプレッセンダのモデルが用いられ、重厚かつ実用的な低音を備えています。

製作地
イタリア トリノ
カテゴリ
モダン
胴長
410mm