日本ヴァイオリン

Lorenzo Storioni ca. 1780-90

ロレンツォ・ストリオーニ 1780-90年製

ロレンツォ・ストリオーニはストラディヴァリとグァルネリの次の世代に生まれ、彼らとの直接的なつながりはありませんが、G・B・グァダニーニやトマーゾ・バレストリエリなどの前世代のメーカーの影響を受けながら、彼の2人の信奉者、ジョヴァンニ・ロタとG・B・チェルーティと共に1775年から1795年の間に数多くの質の高い作品を残しました。

1750年代から18世紀末まで、数十年にわたるフランスとオーストリアによる繰り返しの戦争、改革、そして征服は、クレモナの社会的、経済的構造を解体しました。
イタリアは多くの戦争に耐え、製作家たちが安定的に材料を見つけることは非常に困難な時期だったと言われています。
しかしストリオーニは多様な材料ごとに楽器のパフォーマンスを最も引き出す製法を知っていました。その製作スタイルは極めて独創的で、前世代の製作家を忠実にコピーするよりも『デル・ジェス』の個性の精神に従いました。
エッジの深い掘り込みからはじまる優美なアーチ、やや内側に傾けたfホール、大きく作られたスクロールなどはその最たる特徴です。

1780年から90年の間に製作されたこのヴィオラは、大きな修復歴もなく素晴らしい保存状態で現存しており、その深い音質と色鮮やかな力強い実力によってこれまでに多くの演奏家に愛用されてきました。

製作地
イタリア クレモナ
カテゴリ
オールド